NHK衛星第2 月曜日〜金曜日 午後4:00-4:50 1996/06/18-1996/08/13
NHK衛星第2(再) 月曜日〜金曜日 午後4:00-4:50 1997/12/25-1998/03/27
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【出演】
武照/武才人/武媚娘/武昭儀/武后/則天武后(劉暁慶 小山茉美)
李世民/太宗[り・せいみん/たいそう:唐の二代皇帝]([魚包]国安 瑳川哲朗)[#1-#5]
李治/高宗[り・ち/こうそう:李世民の第九皇子で、唐の三代皇帝](陳宝国 牛山茂) …知力・体力ともに皇帝の器ではなかったが、皇后の第三子であり、兄二人がことごとく策に溺れたのち帝位を継ぐ。 長孫無忌[ちょうそん・むき:唐の重臣、李世民の義兄](坂口芳貞) …妹が太宗の皇后で、太宗亡きあと反武后派の筆頭として抵抗を続けたが、大逆罪の嫌疑をかけられ死を賜る。 王福来[おう・ふくらい:宦官](山野史人) 徐才人/徐恵/徐充容[じょさいじん/じょけい/じょじゅうよう:李世民の妃の一人](高島雅羅) …病弱だが、その知性で李世民の寵愛を受ける。李世民死去の際、寺に入ることを拒否して自害した。 高陽公主[こうようこうしゅ:李世民の皇女](塩田朋子) …勝ち気な性格。房遺愛に嫁ぐ。高宗を廃して別の兄を皇位に据えようと画策したが、失敗し処刑される。 李承乾[り・しょうばん:李世民の皇太子](荒川太郎) …性格が荒く、父に疎まれており、暗殺を謀ったが失敗し誅殺される。 李泰[り・たい:李世民の第四皇子](堀秀行) …才能溢れる人物だが、陰謀家で、兄の企みに乗じ父兄共倒れを狙い失敗。死を賜る。 房玄齢[ぼう・げんれい:唐の重臣](大木民夫)[2,4] [衣者]遂良[ちょ・すいりょう](堀部隆一) 許敬宗[きょ・けいそう](堀勝之祐)[10] 早くから武后を支持していた重臣。 李義府[り・ぎふ](佐々木勝彦)[10] 武后支持派の筆頭。宰相としてその才を遺憾なく発揮したが、汚職や驕慢なふるまい多く、高宗に投獄され、武后にも見放されて獄死した。 韓[王援-才][かん・えん](江角英明) 李世勣/李勣[り・せいせき/りせき](麦人) …太宗以来の武の功臣で李姓を賜る栄誉を得た。だが太宗崩御の際、忠誠を試すために左遷されており、また長孫無忌ら反武后派の主流とは距離があり、武媚が実権を握ってからは自分と家族を守るため表だった反対はしなかった。李勣が守り抜いた一族は、孫の李敬業の反乱によって皆殺しにされる。 房遺愛[ぼう・いあい](神谷和夫) …太宗以来の重臣である房玄齢の息子で皇女高陽公主を妻としたが、惰弱な性格のため妻に振り回された。 王皇后/王氏[おうこうごう:高宗の皇后](田中敦子) 皇后でありながら子をもうけることができなかったため不遇をかこい、高宗に恩を売るため武媚を侍女として呼び寄せた。のち武媚に皇后の位を奪われ、謀殺される。 蕭淑妃/蕭氏[しょうしゅくひ:高宗の妃](金野恵子) 英明な男子素節を出産したため高宗のおぼえもめでたかったが、武媚に陥れられ殺された。 李素節[り・そせつ:蕭淑妃の子](近藤玲子[#5,#7,#8,#10,#12],子安武人[#17,#18],田中正彦[#24]) 韓国夫人/武ほうれん[かんこくふじん:武媚の姉](一柳みる) 楊氏/代国夫人/栄国夫人[ようし:武媚の母](浅井淑子) 武元慶[ぶ・げんけい:武媚の腹違いの兄](手塚秀彰) 武元爽[ぶ・げんそう:武媚の腹違いの兄](目黒裕一[※現・目黒光祐]) 武承嗣[ぶ・しょうし:武元爽の息子](大塚芳忠) 魏国夫人柳氏[ぎこくふじんりゅうし:王皇后の母](久保田民絵) 賀蘭氏/魏国夫人/蘭児[らんじ:韓国夫人の娘](本多知恵子) 柳爽[りゅう・せき:王皇后の叔父](有本欽隆) 玉児[ぎょくじ](佐藤しのぶ)…王福来の姪。侍女として武后に仕える。 裴炎[はい・えん](小林勝彦) 李弘/孝敬皇帝[り・こう](飛田展男) 李賢[り・けん](中原茂) 李哲/中宗[り・てつ](江原正士) 李旦[り・たん](成田剣) 太平公主[たいへいこうしゅ:武后の皇女](深見梨加) 上官[女苑]児[じょうかん・えんじ:上官儀の孫娘](藤井佳代子) 魏元忠[ぎ・げんちゅう](土師孝也) 索元礼[さく・げんれい](大友龍三郎) 来俊臣[らい・しゅんしん](塩沢兼人) 周興[しゅう・こう](荒川太郎) 薛懐義/馮小宝[せつ・かいぎ/ふう・しょうほう](玄田哲章) 狄仁傑[てき・じんけつ](王水 滝田裕介) 張昌宗[ちょう・そうしょう](難波圭一) 張易之[ちょう・えきし](家中宏) 張[諌-言]之[ちょう・かんし](糸博) ナレーター(小林尚臣)
武才人/武媚娘 李世民/太宗 長孫無忌 王福来 李承乾 李泰 [衣者]遂良
ナレーター
魏徴[ぎ・ちょう](丸山詠二) 李淳風[りじゅんぷう](宝亀克寿) 使者(伊藤和晃) 武媚娘の侍女れいじ(小林さやか) 袁天綱[えんてんこう](水野龍司) (棚田恵美子) (宮寺智子) (寺内よりえ) (岡村明美) (大黒和広) (松熊明子)
“武媚娘(ぶびじょう)にとって、宮廷での暮らしは耐えがたいものとなっていた。あれほど帝の寵愛を受けながら、今のこの境遇は…?その理由が、武媚にわかろうはずもなかった。思いあまって武媚は、徐充容を訪れる。充容は、「容色で帝の寵愛をえても、それは長続きしない。教養と聡明さこそが帝の心をとらえる」と諭す。やがて武媚は、宮女たちに学問を教える文学館に通い始める。そこで、彼女の中に眠っていた向学心が目覚め、その知性に大いに磨きがかかるのである。そして徐充容のはからいもあり、武媚は才人の位を捨て、御前侍女として帝の側近く侍ることとなった。このまま才人として一生を朽ち果てるより、宮廷の中心にいて次の機会を待とうという秘かな武媚の野心のあらわれでもあった。
一方、皇位継承をめぐる争いはいよいよ激しさを増していった。皇太子承乾はその行いがはなはだ常軌を逸しており、かねてより帝の意にそわぬことばかりであった。宮廷内の評判も芳しからず、承乾の廃太子の噂はつねにくすぶり続けていたが、そのことで一層承乾は反感と焦りをつのらせていた。
第四皇子の李泰は帝の信頼もあつく寵愛もひとしおだった。学問にすぐれ、地理書五五〇巻を著すほどの才能の持ち主だったが、実は大の陰謀家でもあった。李泰の告発により発覚した不祥事も、承乾自身の陳謝により一応解決するが、これは来るべき大逆事件の前触れに過ぎなかった。
第三の皇位継承者李治、すなわち長孫皇后が生んだ三人目の皇子、皇帝の一四人の皇子の中では九番目にあたる。その性格ははなはだ弱く、体力気力とも父の帝には遠く及ばなかった。武媚と、やがて唐帝国第三代目の皇帝になる李治との出会いは、まさに運命的なものだった。
継承者問題の他に、もうひとつ皇帝の頭から片時も離れないこと。それは、たいひゃくきんせいの予言「唐三代ののち女王武氏起つ」だった。武媚と皇帝の間には常に、ある緊張感があった。”
武媚娘 李世民/太宗 李治 長孫無忌 王福来 徐恵/徐充容 高陽公主
ナレーター
李承乾 李泰 房玄齢 房遺愛 弁機和尚(沢木郁也) れいじ (伊藤和晃) (宮寺智子) (寺内よりえ) (永堀美穂) (紗ゆり) (棚田恵美子) (松熊明子) (岡村明美) 文学館の教官(宝亀克寿) (水野龍司) (大黒和広)
“東宮の一室で、皇太子承乾を中心に密かに練られた陰謀。それは、皇帝を亡き者にしようという企みであった。それに呼応して、李泰もある陰謀をめぐらせていた。それは、兄の暴挙に乗じ、皇帝と皇太子の両者を一挙に葬ろうとするものだった。
六四三年、歴史に残る太子承乾の大逆事件は危機一髪のところで発覚し、未然に防がれた。そしてその結果は…?”
武媚娘 李世民/太宗 李治 長孫無忌 王福来 徐恵/徐充容 高陽公主 李承乾 李泰 李世勣 房遣愛
ナレーター
こっかん(千田光男) れいじ 弁機 李淳風 (伊藤和晃) (星野充昭) (永堀美穂) (深水由美) (大坂史子) (吉田美保) (喜田あゆみ[※現・喜田あゆ美]) (紗ゆり) (鳥畑洋人)
“承乾が皇太子を廃され間もなく、先の大逆事件の全容が明らかとなる。まさに、天網恢々粗にしてもらさず。李泰が密偵として使っていたこっかんが、長孫無忌の追求に耐えきれず全てを告白し、李泰の陰謀が白日の下にさらされたのである。それは、兄承乾の謀略をはるかに凌ぐ悪逆非道なものであった。激怒し、絶望し、自らの命を絶とうとする皇帝。李治と重臣たちが必死にとどめ、事なきを得る。
そして皇帝は、ただ一人残った李治を皇太子の座に据える。李治の立太子の儀を祝う祭りは、三日三晩国を挙げて盛大に行われた。その最中、皇帝は意外な発見をする。日頃おとなしく、弱々しくさえ見える武媚が、馬弓の試合に出て男勝りの一面をのぞかせたのだ。皇帝の胸に眠っていた「女王武氏起つ」の予言がにわかに頭をもたげ、皇帝は慄然とする。
宮廷内での内紛はともかく、このころ唐帝国は隆盛をきわめていた。北の突蕨、南のりいがん、西の西域諸国もみな唐に服していたが、東の高句麗だけが唐に屈することをいさぎよしとしなかった。六四五年、皇帝は自ら大軍を率いて高句麗遠征に乗り出した…”
武媚娘 李世民/太宗 李治 長孫無忌 王福来 徐恵/徐充容 高陽公主 李泰 房玄齢 李世勣 [衣者]遂良 房遣愛 蕭淑妃
ナレーター
こっかん こうじゅん(沢木郁也) 馬係(長島雄一) (星野充昭) (伊藤和晃) (喜田あゆみ[※現・喜田あゆ美]) (永堀美穂) (吉田美保) (紗ゆり) (大坂史子)
“六四九年、大唐帝国の礎を築いた一代の英雄太宗皇帝が崩御された。失敗に終わった高句麗遠征にも増して、皇帝の心残りは李治に託した唐帝国の行く末だったろう。太宗皇帝の死後、その寵愛を受けた後宮の女性はことごとく尼寺の感業寺へ送られた。太子李治は唐帝国三代目の皇帝として即位した。太宗の生前、密かに李治と結ばれていた武媚はひたすら李治の迎えを待った。
しかし、新しい皇帝となった李治の心に、すでに武媚はなかった。そして李治は、宮廷内で早くも始まった次の皇位をめぐる陰謀、王皇后と寵愛する蕭淑妃の熾烈な争いの渦に巻き込まれていった…”
武媚娘 李世民/太宗 李治 長孫無忌 王福来 徐恵/徐充容 [衣者]遂良 王皇后 蕭淑妃 魏国夫人柳氏 柳爽
ナレーター
李素節 上人(沼波輝枝) (谷育子) (伊藤和晃) (中博史) (小形満) (吉田美保)
“太宗皇帝の死後、尼寺感業寺に送られた後宮の女性たち。華やかな後宮での暮らしとはうってかわり、まさに幽閉と呼ぶにふさわしい悲惨な毎日が続いた。人一倍現実社会への執着心の強い武媚の言動は、ことごとく寺の意向に背き人々の反感を買った。そのたびにむごい仕置きが待っていた。ある日、偶然王福来が寺を訪れる。武媚は宮廷復帰の願いをこめて帝への伝言を託すが、帝からの応答はなかった。しかし天は武媚を見捨てず、ついに帝自身が寺を訪れる日が来た。この千載一遇の機会を逃さず、武媚は帝に近づく。帝の中に眠っていた記憶がよみがえり、武媚に対する情熱は再び炎となって燃え上がった…”
武媚娘 李治/高宗 長孫無忌 王福来 高陽公主 [衣者]遂良 李勣 王皇后 蕭淑妃 魏国夫人柳氏 柳爽
ナレーター
上人 武媚に言い寄った尼僧(谷育子) 王福来の使者(順子?)(真殿光昭) 逃亡をもちかけた尼僧(松岡洋子) (室園丈裕) (岩松廉) (小林さやか) (吉田美保) (永堀美穂)
“帝と武媚の噂はたちまち人の知るところとなり、感業寺での武媚の立場はますます辛いものとなった。そんな中、武媚は自分がみごもったことを知る。帝としてもこの事態を無視することはできない。しかし、武媚は先の帝太宗皇帝の後宮にあった女性。これを再び宮中に迎えることは前例もなく不可能である。王皇后がここで助け船を出した。自分の侍女として武媚を迎えるというのだ。この陰には、宮廷内で続いていた蕭淑妃との勢力争いで、帝に恩を売り優位に立とうという計算が王皇后にはあった。ようやく宮廷に復帰した武媚は、献身的に王皇后につくした。皇后も信頼でこれに応える。二人のこうしたよき関係は、帝にとっては必ずしも歓迎すべきものではなかった。帝にとって武媚はあまりにも魅力的な存在だったのだ。
皇太子の座をめぐる勢力争いで、すでに帝との間に皇子のある蕭淑妃が断然有利だったが、これに対し皇后は養子で対抗しようとした。まさに一触即発、女たちの闘いが始まろうとしていた…”
武媚娘 李治/高宗 長孫無忌 王福来 高陽公主 [衣者]遂良 王皇后 蕭淑妃 魏国夫人柳氏 柳爽 房遺愛
ナレーター
上人 (谷育子) 李素節 李忠(津村まこと) 占い師(北村弘一) (引田有美) 順子 (紗ゆり) (永堀美穂) (百武彰子) (星野千寿子) (松岡恵美子)
“武媚は無事に男の子を出産、皇子は李弘と名づけられた。武媚の亡き父にも爵位が下され、母と姉が宮中に移り住んできた。出産後の武媚はますます美しく、ますます艶やかに。帝はすっかりその魅力の虜となり、武媚のもとに入り浸る毎日。政務は重臣たちに任せきりで一切顧みようとしない。武媚にはそれが嬉しくもあり歯がゆくもあった。
こうした中、公女高陽の謀反が発覚した。それは、頼りない李治を廃し兄の李恪[りかく]を皇位につけようという企みだった。計画は未然に防がれ、一味には死罪が申し渡された。そして、帝に代わり武媚が高陽との最後の対面に臨んだ。高陽は、唐帝国安泰と帝の自覚を願いつつ毅然と死を迎えた。”
武媚娘 李治/高宗 長孫無忌 王福来 高陽公主 [衣者]遂良 王皇后 蕭淑妃 韓国夫人 魏国夫人柳氏 房遺愛 ナレーター
(浅井淑子) 李素節 李忠 (大山高男) (手塚秀彰) 謀反一味(小室正幸) (目黒裕一[※現・目黒光祐]) 謀反一味(田中正彦) (永堀美穂)
“武媚の宮廷内における立場は、ますます強く、確固たるものとなっていった。そして、王皇后と蕭淑妃がついに手を結ぶ時がきた。武媚に対抗するには、これ以外に道はなかったのである。
やがて武媚は、二人目のこどもを出産した。それを見に王皇后が訪れたとき、武媚は重大な決意をする。それは、生まれたばかりのわが子の命と引き替えに一世一代の賭けだった。”
武媚娘 李治/高宗 王福来 長孫無忌 [衣者]遂良 李勣 王皇后 蕭淑妃 韓国夫人 魏国夫人柳氏 柳爽
ナレーター
順子 (岩松廉) (大黒和広) (佐藤祐四) (永堀美穂) (増田ゆき) (木藤聡子)
“武媚は王皇后追い落としの手をゆるめなかった。皇后は呪詛をおこなったとして捕らえられた。同じく蕭淑妃にも謀略の手は伸びる。淑妃は毒入りの酒を隠し持っていたとして捕らえられた。武媚の皇后冊立はいよいよ近いと思われた。しかし、この時期長孫無忌をはじめとする先代の太宗皇帝以来の重臣たちは朝廷内で依然として強い力をもっており、武媚擁立派と鋭く対立していた。長孫無忌とともに、太宗皇帝から現皇帝と王皇后の後事を託されたという中書令[衣者]遂良は、一世一代、命がけの諌言を行い人々の肝を潰す。かくして武媚の皇后冊立はついえさったかに思えたが…”
武媚娘 李治/高宗 王福来 長孫無忌 [衣者]遂良 許敬宗 李義府 韓[王援-才] 王皇后 蕭淑妃 韓国夫人 魏国夫人柳氏 柳爽
ナレーター
李素節 (伊藤和晃) (寺内よりえ) (永堀美穂) (増田ゆき) (木藤聡子) (大黒和広) (中博史) (佐藤祐四) (岩松廉) (柳沢栄治)
“[衣者]遂良の必死の諌言にもかかわらず、武媚の皇后冊立に向け着々と手は打たれていった。捕らえられていた蕭淑妃と王皇后は、後宮べついんに監禁となった。囚われの生活は家畜にも劣る悲惨なものだった。しかし、それもその後二人を襲う悲劇の前触れに過ぎなかった。
先帝太宗皇帝以来の忠臣[衣者]遂良も、その最後は哀れだった。盟友長孫無忌の見送る中、[衣者]遂良は遠く潭州へ流されていった。去る者あれば来る者あり。[衣者]遂良去って、宮廷にはにわかに武媚に媚びを売る小才子が増えていった。礼部尚書許敬宗と、中書舎人李義府がその筆頭であった。許敬宗と李義府は、天下に隠れもなき英雄で功臣でもある李勣に接近した。そして御前において李勣の口から「皇后冊立は李家の家中のこと。余人の容喙は無用」と言わしめた。この李勣の一言が万金の重みとなって朝議が決してしまったのである。
かくして武媚は、ついに大唐帝国の皇后の座をわがものにした。西暦六五五年、唐のえいき六年、文武百官キラ星のごとく居並ぶ中、あたりをはらう堂々たる威風の武媚が、皇帝とともに玉座に就いた…”
武媚娘 高宗 王福来 長孫無忌 [衣者]遂良 韓[王援-才] 李勣 許敬宗 李義府 王皇后 蕭淑妃 韓国夫人 ナレーター
(浅井淑子) 李弘(ゆきじ) 順子 (岩松廉) (小野英昭) (伊井篤史) (水野龍司) (幹本雄之) 獄吏(相沢正輝)
“皇后の座を我がものとした武媚は、宮中のみならず表向きのまつりごとにまで積極的に関わり始める。それはさながら、水を得た魚のようであった。それに比べ皇帝は、何事にも無気力でただ怠惰に日々を過ごしていた。すべてを皇后にまかせきりで、そのため皇后の権力はますます絶大なものとなった。李義府は、さんちせいじの要職にまで登りつめ、今や飛ぶ鳥を落とす勢い。夫殺しで死罪と決まった女を妾にして囲うほどの増長ぶり。さすがに許敬宗も見かねて忠告するが、一笑にふされる。
後宮の一隅に幽閉されていた元皇后と淑妃が、偶然のきっかけで目にとまる。二人は、それぞれ無実を訴え一日も早い釈放を懇願する。皇帝もすっかり同情し、淑妃だけは侍女として宮中に迎えようと約束した。しかし、そのことは張り巡らされた情報網によっていち早く皇后の知るところとなる。”
武后 高宗 王福来 長孫無忌 韓[王援-才] 許敬宗 李義府 王氏 蕭氏 韓国夫人 楊氏(浅井淑子) 李素節 ナレーター
玉児 武元慶(手塚秀彰) 武元爽(目黒裕一[※現・目黒光祐]) 畢正義[ひっせいぎ](水野龍司) 淳う氏(さとうあい) えきていれい(幹本雄之) (岩松廉) (相沢正輝) (木藤聡子) (大坂史子) (永堀美穂) (田中美夕紀)
“皇后にとって、すべては思い通りに進んでいた。残された宿願である、長子李弘の立太子も決した。そのとうぐ職に就任した李義府が、韓[王援-才]によって弾劾される。疑いは、淳う氏をめぐる事件だったが、証人畢正義の自殺により、告発は不発に終わった。一方、皇帝が侍女として宮廷に迎えようとしていた幽閉中の元蕭妃、蕭氏にも皇后の魔の手が伸びる…”
武后 高宗 王福来 長孫無忌 韓[王援-才] 許敬宗 李義府 王氏 蕭氏 順子 玉児
李弘 淳う氏 畢正義 (伊藤和晃) ペルシャ人店主(幹本雄之) (岩松廉) (吉田美保)
“[衣者]遂良に続き、太宗皇帝以来の功臣韓[王援-才]も、ついに都を追われた。残るは、長孫無忌ただ一人である。無忌追放の突破口は、意外なところにあった。無忌がかねて執筆中の歴史書、「ごだいしし」が槍玉に上がり、これを刊行した[偉-人]季方が捕らえられた。[偉-人]季方は、無忌らと語らい、前の皇太子李忠を戴き、謀反を企てたという。すべて、許敬宗が書いた筋書きだった。信じられない事態に、皇帝は自ら問い質そうと、大理寺に向かうが、時すでに遅く、[偉-人]季方は、李義府の手で拷問死させられたあとだった。驚き、嘆き悲しむ皇帝を、謀反には死罪あるのみと皇后は叱咤する。皇帝は、無忌を一品待遇で揚州の都督に任じた。せめて、天寿を全うできるようにとの配慮だった。しかし、ちょうどうで発せられた詔勅では、無忌は地位を剥奪、[黒今][けん]州に流罪となっていた。すべて、皇后の意思によるものだった。かつて、盟友[衣者]遂良を見送り、韓[王援-才]と永の別れをした道を、無忌は一人、見送る者もなくけん州へと護送されていく。しかし、長孫無忌の悲劇はこれで終わったわけではなかった。さらに過酷な運命が彼を待っていたのである…”
武后 高宗 王福来 長孫無忌 韓[王援-才] 許敬宗 李義府 上官儀(菅生隆之) 韓国夫人 楊氏 賀蘭氏/蘭児(本多知恵子)
ナレーター
順子 玉児 武元慶 武元爽 いきほう(水野龍司) (岩松廉) (幹本雄之) (吉田美保)
“かつて、皇太子承乾が、李泰が、幽閉されたというけん州の廃屋。今、不思議な運命の巡り合わせによって長孫無忌はここにたどり着いた。それを追うように、都から、死を賜うの勅命が無忌に届けられる。このかっかくたる大唐帝国第一の元勲は、こうして最期の時を迎えようとしている。しかしこの時、死には及ばずという皇帝直々の言葉を伝える勅使がつい近くまで来ていた。老臣たちが次々と去る中、唐は、ひとつの新しい時代を迎えた。それは、とりもなおさず武媚の時代。中国史上唯一の女帝誕生へと向かう時代であった。”
武后 高宗 王福来 長孫無忌 李勣 許敬宗 李義府 上官儀 李弘(飛田展男)
ナレーター
えんこうゆう(納谷六朗) 民(藤本譲) 民(上田敏也) 民(京田尚子) (花形恵子) (鈴木れい子) ペルシャ人店主 淳う氏 (塚田正昭) 六品ししんかんを買おうとした男(石波義人) 玉児 (岩松廉) 勅使(小野英昭) (深水由美)
“洛陽から、一人長安に帰った皇帝は、宮廷で韓国夫人と再会する。皇后とは全く違う、女らしい優しさをもつ彼女に、皇帝はすっかりのめり込んでいった。同時に、にわかに自信を取り戻し、政にも積極的に取り組む。折しも宮廷では、李義府糾弾の声があがり、皇帝はこれを追求する。そして、そのあまりに不遜な態度に怒り、李義府を投獄する。やがて長安に帰った皇后に、許敬宗は事の真相を伝える。そして、李義府の存在が、こののち皇后に利をなさないと説いた。皇后は、ある決意を胸に、密かに牢獄の李義府を訪れる…。”
武后 高宗 王福来 許敬宗 李義府 上官儀 韓国夫人 賀蘭氏/蘭児 順子 玉児
ナレーター
(小野英昭) (幹本雄之) (水野龍司) (石波義人) (塚田正昭) (岩松廉) (吉田美保) (永堀美穂)
“宮廷における皇后の力は、ますます強大なものとなっていった。皇后の政治的発想と手腕は、まさに天才的で、余人の追随を全く許さなかった。ついに皇后は、朝儀をも自ら取り仕切るようになる。玉座のうしろに、真珠と翡翠の簾を垂らし、皇后は、その背後からすべてを指示する。皇帝は、それを復唱するだけ。世に名高い、「垂簾の政」である。失意の皇帝を、さらに悲劇が襲う。韓国夫人が、何者かに殺害されたのだ。誰が母を殺したか、確信を持つ蘭児は、ひそかに復讐を誓う。骨肉相食む、凄惨な争いの幕開けであった。”
武后 高宗 王福来 李勣 許敬宗 王氏 韓国夫人 賀蘭氏/蘭児 楊氏 李弘
ナレーター
李素節(子安武人) 順子 玉児 (石井敏郎) (円谷文彦) せつじんき(中庸助) そていほう(幹本雄之) (小野英昭) (岩松廉) (永堀美穂)
“女帝武后の誕生までに、幾人の血が流されるのだろうか。かつて、大唐帝国の皇后として、権力をほしいままにした王氏の最期は、あまりに無惨だった。殺された蕭淑妃の忘れ形見、未来の皇帝として期待を一身に集めた素節は、都を追われた。皇太子李弘だけが、素節の出発を見送った。韓国夫人が残した娘・蘭児。実質上の権力を武后に奪われ、無為に日々を過ごす皇帝の、いまや唯一の慰めだった。
李勣は、天寿を全うした。しかし、その孫李敬業が、やがて唐王朝に反旗を翻すなど、知る由もなかった。
皇后の権力はますます強大に、そして、もはや誰一人として対抗できる者はいなかった。しかし、上官儀を中心に、皇太子李弘を摂政にと推す動きがおき、新たな悲劇の火種となる…。”
武后 高宗 王福来 李勣 許敬宗 上官儀 王氏 賀蘭氏/蘭児 楊氏 李弘
ナレーター
李素節 重臣(中庸助) (松岡文雄) (石井敏郎) (円谷文彦) 上官儀の娘(平井美美) 武元慶 武元爽 玉児 ペルシャ人店主 (永堀美穂) (岩松廉)
“一見なごやかな家族の団らん。しかし、そこには陰謀と殺意が渦巻いていた。暗殺を企んだ者と、狙われた者と立場が逆転。結末はまったく意外なものとなり、強者はまたしても生き残った。さすがの皇帝もついに皇后を廃することを決意する。上官儀が呼ばれ、その詔勅が起草されようとしていた。その最中、怒り心頭の皇后が乱入してくる。その怒りのあまりのすさまじさにすっかり恐れをなした皇帝は、卑怯にもすべてを上官儀のせいにしてこうして難を逃れようとする。詩人にして書家、唐王朝にこの人ありと言われた上官儀もこうして朝廷から消えていった。そしてもう一人、その生涯を唐王朝に捧げた宦官王福来も、事件に関わったとして宮廷を追われた。”
武后 高宗 王福来 上官儀 李弘 賀蘭氏/蘭児 楊氏 武元慶 武元爽 順子 玉児
ナレーター
上官儀の娘 (岩松廉)
“西暦666年、唐の乾封元年、皇帝と武后は、ともに泰山におもむき、天を祭る封禅の儀を執り行った。この儀式は、女人禁制が絶対のきまりではあったが、武后は敢えてこの禁を犯した。これは、男尊女卑の風潮に対する、武后の大いなる挑戦であった。そして、自ら天后と称し、ここに天皇・天后の二星の時代が始まった。まもなく、未曾有の旱魃が襲い、長安の町には餓死者があふれた。人々は、天をも恐れぬ天后の行動がこの結果を招いたとし、一日も早い天后の退位と、皇太子李弘の摂政を望んだ。このままでは反乱が起きる。一途な李弘は、洛陽に両親を訪ね、母親の行動を激しく非難する。天后の鋭い反論にも、一歩も引かなかった。そしてその最中、李弘は急死する。あまりに突然の、あまりに謎に包まれた死だった。その死を待つかのように、はいぜんと雨が降り始めた。次の皇太子に立てられた李賢は、洛陽に赴く途中、偶然にも昭陵で、今は太宗皇帝の墓守をしている王福来に会う。そして、王福来が不用意にもらした一言から、自らの出生の秘密を知る。このことが、李賢の、ひいては唐王朝の運命を大きく変えることになるのである…”
武后 高宗 王福来 許敬宗 裴炎 李弘 李賢 順子 玉児
ナレーター
(藤本譲) (三木敏彦) (藤城裕士) (伊藤和晃) (引田有美) (岩松廉)
“李賢は辛うじて死をまぬがれるが、都を追われる。やがてこの李賢が、李敬業らによる反乱の旗印に祭り上げられる。武后が待ち望んでやっと恵まれた皇女太平は、容姿・性格ともに母親そっくりに育ち、武后を喜ばせた。もう一人、上官儀の孫娘[女苑]児は、祖父の無念の死の恨みを晴らすべく武后に接近する。皇帝の病はいよいよ重く、明日をも知れぬ容態。武后には権力の行方が気がかりだった。”
武后 高宗 裴炎 李哲(江原正士) 李賢 太平公主[皇女](深見梨加) 上官[女苑]児(藤井佳代子)
ナレーター
順子 [偉-人]氏(叶木翔子) (秋間登) (長島雄一) (岩松廉)
“高宗李治亡き後、皇位は李哲が嗣いだ。しかし、突然の幸運にすっかり有頂天のこの帝は、皇后[偉-人]氏にそそのかされ専横なふるまいが多く、また軽率な言動を咎められ皇太后武媚によってあえなく退位させられる。この李哲がやがて唐王朝の中宗としてよみがえるなど、当時誰が予測したろう。李哲退位の後、皇太后は李旦を皇帝に選んだ。この若者は軟弱にして凡庸、どこか父の李治をほうふつとさせた。
都の華やかな歴史の移り変わりをよそに、皇子李賢の末路は哀れだった。よう州で勃発した李敬業の乱の旗印に祭り上げられた李賢は、幽閉地の巴州で自害して果てた。さすがの皇太后も悲嘆にくれた。なぜいつもわが皇子を戴いて反乱を…?憎きは、唐王朝の旧臣どもだった。”
武后 高宗 裴炎 李哲 李賢 太平公主[皇女] 李旦(成田剣) 武承嗣(大塚芳忠) 魏元忠(土師孝也) 上官[女苑]児
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楊氏 李敬業(中田譲治) [偉-人]氏 丘神勣[きゅうしんせき](長島雄一) (筈見純) (水野龍司) (岩松廉)
“李敬業の乱も無事に収まった。もはや、皇太后武媚に刃向かう者はなにもないと思われたが、依然として敵は存在した。唐王朝そのものである。これに対抗して皇太后は、全国津々浦々に投書箱を設置した。世に名高い銅きである。密告と讒言による恐怖政治が始まった。いかなる高位高官の者といえども、密告によって捕らえられ身に覚えのない罪を自白するように死の拷問にかけられた。皇太后の思惑通りこの残忍な制度によって、唐王朝に根強く残っている旧い勢力はつぎつぎに取り除かれていった。しかし反面、この恐怖政治は無頼の徒がいきなり高位高官にとりたてられ、権勢をふるうという悪政をも招いた。
すべては皇太后の思い通りに動いていた。いまや、何一つ思い悩むことなどないかにみえたが、皇太后は一人鬱々と楽しまなかった。皇太后の地位にまで上りつめたが、しかし天下は李家のもの。しょせん自分は李家の嫁にすぎない。武家の天下…老いてなお、ふつふつと野心をたぎらせる武媚であった。”
武后 裴炎 武承嗣 魏元忠 上官[女苑]児 太平公主 索元礼(大友龍三郎) 来俊臣(塩沢兼人) 周興(荒川太郎)
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駱賓王[らくひんのう],医師(水野龍司) 丘神勣 (中博史) (岩松廉) (大黒和広) 大臣(相沢正輝) (柳沢栄治) (星野千寿子) (麻生まどか)
“武承嗣の提案で、武后は「聖母神皇」なる称号を奉られる。権力はいやがうえにも肥大していく一方だった。皇太后としてこれ以上ない権力を得たものの心さびしい思いの武后は、皇女太平の勧めで大道の薬売り馮小宝を宮廷に招きたちまちこれを寵愛するようになる。この男こそ、唐王朝の混乱に乗じ武后の威光をかさに絶大な権力をふるった一代の風雲児、怪僧・薛懐義である。
今や、名目だけの唐王朝宗家となった李家の諸侯は、打倒武后の密議をこらす。そうした中、李素節は大胆にも宮廷に侵入し、上官[女苑]児に武后毒殺の陰謀をもちかける。”
武后 狄仁傑(滝田裕介) 武承嗣 魏元忠 薛懐義(玄田哲章) 太平公主 上官[女苑]児 索元礼 来俊臣 周興
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李素節(田中正彦) 素節のおじ(筈見純) (中博史) 上官儀の娘 (岩松廉) (相沢正輝)
“皇太后暗殺の陰謀はあえなく潰えた。倒すには、武后はあまりにも大きすぎる存在だった。計画の実行者、上官[女苑]児の運命は…。
首謀者の素節をはじめ、多くの李家の諸侯たちが捕らえられた。こうして、唐王朝の宗家、李家の力はますます弱くなっていった。皇帝李旦によって、辛うじて保たれていた李家の面目も、今や風前の灯火。
そしてついに、李旦は母武后に皇位を禅譲した。西暦690年唐の天寿元年、武后は皇帝の座に即いた。同時に、国号は周と改められ、都は洛陽に定められた。ここに、中国史上唯一の女帝、則天武后が誕生したのである。”
武后 狄仁傑 上官[女苑]児 薛懐義 武承嗣 太平公主 李旦 魏元忠 来俊臣 周興
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李素節 丘神勣 (伊藤和晃) (中村雄一) (岩松廉) (遊佐浩二) (吉田美保) (永堀美穂) (幸田夏穂)
“中国史上初めての女帝として天下に君臨する武后。国家はいよいよ繁栄し、国政は安定したが、ひとつだけ後継者問題がくすぶっていた。武后は李家・武家両方の面目を保つため武承嗣と皇女太平の結婚を思いつくが、太平の激しい拒絶にあって断念する。薛懐義の横暴と増長ぶりはとどまるところを知らず、多忙を理由に武后のお召しにも応じない。武后は高宗李治の最後の遺児だった沈南きゅうに再会する。どこか、亡き夫を思い出させるこの沈南きゅうに武后はたちまちのめり込み、寵愛はたちまち薛懐義から離れていった。”
武后 狄仁傑 薛懐義 来俊臣 魏元忠 武承嗣 上官[女苑]児 太平公主 周興 李旦
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(鈴鹿千春) (吉田美保) 沈南きゅう(秋間登) 順子 (中博史) (水野龍司) (中村雄一) (岩松廉) (遊佐浩二) (紗ゆり) (永堀美穂) (幸田夏穂)
“武后の寵愛が去ったことを知った薛懐義は嫉妬のあまり、完成したばかりの明堂に放火しこれを全焼させる。薛懐義に心を残す武后は、思い切った処罰ができない。皇女太平は一計を案じ、薛懐義をおびき出し、たぜいで打ちすえ殺してしまう。間もなく太平は、評判の美少年張昌宗を母の元に送り込む。兄張易之とともに、武后の晩年をみだらに彩るかんぶつである。
一度は遠のいた後継者の座だったが、武承嗣は未だにそれをあきらめきれずにいた。来俊臣と手を組んで、武承嗣は皇太子李旦失脚の陰謀をめぐらせる。皇太子に謀反の心ありとするこの計画は周到に練られたものであったが、思いがけないところから破綻をきたす。皇太子の忠実な下僕、あんきんぞうが命を賭して主君の無実を証明したのである。そして、事態はまったく意外な展開を見せる…”
武后 狄仁傑 武承嗣 薛懐義 来俊臣 魏元忠 太平公主 上官[女苑]児 李旦 張昌宗(難波圭一)
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沈南きゅう 順子 (鈴鹿千春) (吉田美保) あんきんぞう(金丸淳一) (伊藤和晃) (岩松廉) (水野龍司) (遊佐浩二) (永堀美穂) (星野千寿子) (増田ゆき)
“張兄弟という二人の美少年をえて、武后は愛欲にのめり込んでいった。しかしこの時期、内憂外患多難な時期だった。国内では李旦が皇太子の座を下り、その後継もまだ決まらず、外では周辺の国々が隙をうかがっていた。696年、契丹の大軍が突如大周国に攻め入った。契丹軍は遼原の火のごとくたちまち領土の奥深くまで侵攻し、掠奪と殺戮を欲しいままにした。これに突蕨軍が続いた。この二敵の思わぬ侵略が大周国の内政を変えた。敵の大軍と戦うにはやはり旗印は李家の者でなくては将兵の意気が上がらぬ。この意見が大勢を占めたのである。かくして、遠くに流されていた李哲が皇太子の座に復帰した。これは武后にも止められぬ勢いであった。ここに一人哀れをとどめたのは武承嗣である。目前まで迫っていた大周国の次の皇位が一瞬にして遠のいてしまった。武承嗣には、武后の裏切りが許せなかった。
文武百官から下々の民に至るまで李家びいき、大周国は自分一代で終わるのか?暗澹たる思いの武后だった。”
武后 狄仁傑 武承嗣 魏元忠 来俊臣 上官[女苑]児 張昌宗 張易之(家中宏) 李哲 李旦 順子
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(水野龍司) (伊藤和晃) (中博史) (柳沢栄治) (遊佐浩二)
“張兄弟を日夜侍らせ、愛欲の限りをつくす武后。若さは良薬でもあり体を蝕む麻薬でもあるのか。老いはその身に容赦なく忍び寄り、それを忘れるためいっそうはしゃぐ武后。張兄弟は武后の寵愛をよいことに傍若無人のふるまい。目から鼻に抜ける利口さで政治の面でも数々の敵をつくったが、一向に気づかぬ武后だった。しかし、張昌宗と上官[女苑]児のただならぬ関係には気づき、激怒した武后は[女苑]児を投獄する。
武承嗣も悲劇的な最期を迎える。父を誅殺した武后に生涯仕え、粉骨砕身働いた。それも、ただひたすら武后が自分を後継者に指名しやがては皇位につかんがためであったが、今その野望も夢と消え、しかも思い病をえて前途に何の希望もないまま、武承嗣は武后の前で毒をあおる。
狄仁傑は晩年の武后が唯一心を通わすことのできた友であった。しかし、その狄仁傑も今死の床にあった。孤独感がひしひしと武后の心に迫る。”
武后 狄仁傑 張[諌-言]之(糸博) 武承嗣 李哲 上官[女苑]児 張昌宗 張易之 順子
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(篠原大作) (伊藤和晃) (中博史) (水野龍司) (幹本雄之) (岩松廉) (大坂史子) (幸田夏穂)
“狄仁傑が退くと、事態はめまぐるしく展開し始める。張[諌-言]之を中心とする急進派は、まず武后の側近中の側近張兄弟を策略をもちいておびき出し誅殺する。そして皇太子李哲を推し立て、武后に皇位の禅譲を迫る。宮廷には兵たちがなだれこみ、一触即発のものものしい雰囲気だった。事ここに至って武后もいよいよ進退窮まった。体力気力ともに衰え、退位はやむをえない状況であったが、気がかりは大周王朝の存続。だが、武后の願いもむなしく李哲の即位をもって李家の唐王朝が復活した。そして、武后は…”
武后 狄仁傑 張[諌-言]之 李哲 太平公主 上官[女苑]児 張昌宗 張易之 順子
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(片岡富枝) (伊藤和晃) (水野龍司) (中博史) (相沢正輝) (幹本雄之) (岩松廉)
太宗 高宗 李弘 徐恵