“ミステリーゾーン…
不思議な物語が決して不思議ではなくなる世界。
空想の力によってのみ知ることができる謎の世界。
では、ミステリーゾーンのお話をこのテレビでご覧下さい。”
(久米明)
“これは、別世界への旅です。
目や、耳や、心だけの別世界ではなく、想像を超えた素晴らしい世界への旅。
あなたは今、ミステリーゾーンに入ろうとしているのです…”
(千葉耕市)
【出演】
ナレーター(ロッド・サーリング 千葉耕市)
【日本語版】
【サブタイトル一覧】
第1話 四つめの願い 第2話 物云わぬ少女 第3話 海底の墳墓 第4話 夜の女豹 第5話 おのれの影 第6話 宇宙飛行士の幻想 第7話 太陽は二つ輝く 第8話 落ちた時計 第9話 ふたたび故郷へ 第10話 死の宇宙船 第11話 歴史のかきかえ 第12話 暗闇の男 第13話 魅いられた男 第14話 魔法入門 第15話 幻の谷間 第16話 霧に消えた船 第17話 人形の家で 第18話 第19話 ※とりあえず、1997年にスーパーチャンネルで放送された際の話数に準じて いますが、これらの1時間ものはすべて第4期です。それ以外は30分。
第1話 4つめの願い
"I Dream of Genie" “主人公ジョージ・ハンレーは正に平々凡々。出世の見込みもないサラリーマン でした。どっちかというと周囲からもないがしろに扱われる存在だったのです。 女性からちやほやされたという覚えもまるでありません。誰の目にもぱっとしな い多少偏屈な男でした。まったくどこにでもいるような男です。しかしたまたま この珍しいランプを手に入れたその瞬間、彼の運命はそこで大きく変わってしま いました。アラビアン・ナイトにもアラジンの不思議なランプとして知られるラ ンプの魔法はジョージばかりでなく私たちまでも幻想の国ミステリーゾーンへ引 き込まずにおかない力をもっているのです…” アン(向井真理子) ロジャー・ハケット(金内吉男) 社長(滝口順平)
第2話 物云わぬ少女
"Mute" 1963/01/31 “幕が上がりましたが、これはまた奇妙な劇の始まりです。サインしているのは みな心霊現象の研究家です。しかしドラマの本筋はこの場面にあるのではありま せん。ここにいる人たちはほんの脇役をつとめているに過ぎないのです。さて、 この物語の主人公イルサ、ニールセン教授の娘で二歳になります。自分の未知の 世界を知る由もなくとなりの部屋のゆりかごですやすやと眠っていたのです。こ の日から十年後にイルサは恐ろしい経験をします。住み慣れたミステリーゾーン を離れ、現実の世界に出るのです…”
第3話 海底の墳墓
"The Thirty Fathom Grave" “これは、ガダルカナルの沖200キロの海上で起こった物語です。アメリカ合 衆国駆逐艦が平穏無事な航海を続けていました。ところが今この奇妙な音を聞き その正体を見極めることになったのです。いったい何者がこの音を立てているの でしょう?静かにうねる海の底から響いてくる不思議な物音。聞きようによって はいかにも不気味なこの音は、それもそのはず、ミステリーゾーンから響いてく るのです…” マクロード(朝戸鉄也)
第4話 夜の女豹
"Jess-Belle" “優しきエリー。邪なジェス。愛する男は一人。ただ一人… ミステリーゾーンは大昔から存在しているのです。親から子供へと語り継がれ てきたなつかしい物語の中にも、ミステリーゾーンを舞台に展開する物語は数し れぬほどあるのです。語り継がれているうちに修正が施され、一層の厚みを加え てあたかもほんの昨日起こった出来事のように新鮮な感銘を与えてくれます。こ の物語もそのひとつ。優しい女、邪な女、そして愛する男は一人。ミステリーゾ ーンの物語と言えましょう…” ビリー・ベン(羽佐間道夫)
第5話 おのれの影
"In His Image" 1963/01/03 “この光景が悪夢の一瞬だとしたらここで目が覚めるのが本当でしょう。しかし 夢は、これから始まるのです。アランは少しも気づいていませんが、彼はこれか ら不思議な世界をさまよう不思議な運命にあるのです。その世界こそ、このミス テリーゾーンなのです…” アラン・タルボット(ジョージ・グリザード 矢島正明)
第6話 宇宙飛行士の幻想
"The Parallel" “人間衛星発射前60分、緊張感のみなぎるこの基地からロバート・ゲインズ少 佐は母なる大地を離れて大空の彼方へと飛び立ち、既に輝かしい実績を上げた宇 宙飛行士たちにおとらぬ記録を打ち立てようとしているのです。未知のものの求 めるあくなき好奇心は、人類に重力の法則を忘れさせ、宇宙の神秘は次々と解明 されることになりました。ではまさに冒険へと飛び立たたんとするゲインズ少佐 に会ってみましょう。少佐の目指す大宇宙、無限の広がりこそ、星に彩られた神 秘そのものをひそめる国。それすなわち、ミステリーゾーン…” 精神科医(村越伊知郎)
第7話 太陽は二つ輝く
"On Thursday We Leave Home" “この男、ウィリアム・ベンティーニは宇宙開拓者の隊長を務めています。従う のは、地球を離れ戦争も恐怖も危険も罪悪もない理想郷を宇宙に求める人々の群 れです。人々が見出したのはこの一点の緑もない一面の荒れ地。しかしここで3 0年立派に生き抜いてきたのです。すでに故郷なる地球の記憶は薄れ、過去のも やの中に消え去ろうとしていました。ところが突然、約一ヶ月前地球から迎えの 宇宙船を出すという知らせが届いたのです。人々は今か今かと待っています。そ して迎えの宇宙船は刻々とこのミステリーゾーンへ近づきつつあるのです…”
第8話 落ちた時計
"The Incredible World Of Horace Ford" “この男、ホレイス・フォードの心の中は、子供時代の思い出でいっぱいでした。 同年輩の仲間のこと、一緒に遊んだわんぱく時代にあこがれのような気持ちすら 抱いていたのです。おもちゃ会社にデザイナーとして勤めるホレイスの夢は、白 昼仕事の最中にも果てしなく広がっていくのが常でした。そして、その思いが募 るあまり現実を忘れ、昔に帰ったような錯覚を起こし、そしてとうとう、このミ ステリーゾーンにまでいつしか踏み迷う身になっていたのです…”
第9話 再び故郷へ
"Of Late I Think Of Cliffordville" “これは一種の殺人です。犯人はウィリアム・フェザースミス、人間の皮をかぶ った冷酷無比な冷血動物だと噂されている恐ろしい男です。今もフェザースミス 一流のあくどい手段で会社ののっとりを行おうとしています。しかし今度ばかり は彼も、この取引が行われている場所がミステリーゾーンに属するマーケットだ ったとはうかつにも気がついていません…”
第10話 死の宇宙船
"Death Ship" “宇宙船E89号に搭乗するのは、機長のロス大尉とメイスン少尉、マイク少尉 です。いま3人は地球をはるか後に未知の遊星に着陸しました。このミステリー ゾーンで3人を待ち受けている悪夢のような事件が起こっているともつゆ知らず…”
第11話 歴史のかきかえ
"No Time Like The Past" “この男ポール・ドリスコルは20世紀に生きる人物です。彼は今、時間を逆行 させるという困難な試みに挑もうとしています。しかもその目的は一歩進んだも ので、過去のある瞬間をとらえて現在を変えようという、はなはだ特異な試みな のです。これこそ奇想天外、ミステリーゾーンでなければ不可能な試みでしょう…” ポール・ドリスコル(中村正) ※BBCセレクション『タイムトラベルは夢か』でこのエピソードの映像がたび たび挿入されていました。
第12話 暗闇の男
"He's Alive" “これがナチズムを信奉するピーター・ボルマーです。夢ばかり大きく、その割 には中身のない男なのです。常になにかやって人をあっと言わせようという気持 ちに逸っています。そしてこのタイプの人は共通して自分をむやみに正当化した がります。社会から顧みられない不平不満を晴らそうというのでしょう。彼が探 し求めているものは溝のなかにあるのです。歪んだ彼の心はそれを信仰・力・真 実と呼んでいます。そしてまもなく彼は恐るべき暗示にかかり己を失ってしまい ますが、相手はどうやらミステリーゾーン、いやもっと暗い国の住人らしいので す…”
第13話 魅いられた男
"Printer's Devil" “男の夢を追う場合、絶望をウィスキーでまぎらわせ、深い夜、人気のない橋の 上にただ一人暗く流れる水をみつめさせてもくれません。男の胸にどんな思いが 去来するのか。あなたはわからないでしょう。でもわかる者もいます。今ダグラ ス・ウィンターの横に座っている男がそうなのです。一路町へと疾走する車。そ の車の行き着く所、そこはミステリーゾーンなのです…”
第14話 魔法入門
"The Bird" “ジュリアスはチャンスをつかみました。やはり、叩かなければ扉は開かれるも のではありません。ジュリアス・ムーマーは作家を志し、志すのは容易ですが売 れるようになるのは容易なことではありません。さて魔法の本を求めて町へと出 た彼にはすでにもう、新しい人生が開けていたのです。ミステリーゾーンへと踏 み込んだ彼は作家となる前に、まずミステリーゾーンの住人になったのです…”
第15話 幻の谷間
"Valley of the Shadow" “ご覧のように、ハイウェイを遠く離れてひっそりと静まり返る町。こんな町が 地図に載っていたでしょうか。人々はここで何をしているのでしょう?いつから 住んでいるのでしょう? フィリップは思ってもみませんでした。彼の犬が猫さえ追わなければ、このま まここを行き過ぎて再び思い出すこともなかったのです。しかしそうはいきませ んでした。その理由はただ一つ、フィリップ・レッドフィールドは今ミステリー ゾーンの中へ入り込んでしまったからです…”
第16話 霧に消えた船
“”
第17話 人形の家で
"Miniature" “一般の人にとって、博物館は新しい知識を吸収し、真実と驚きを知る学問の場 所です。思索の場所に利用する人もあり、ながめるだけの楽しみに来る人もあり ます。 しかしチャーリーの目的は違うのです。彼は世間を逃れてここへ来るのです。 毎日昼の食事を忘れてまで、彼をここに引きつけるものは、この薄暗い広間にお ける一時の静寂、誰からも邪魔されることのない孤独な時間だったのです。こう して彼は次第次第にミステリーゾーンをさまよう身となったのです…”
“1943年のアフリカ。上空では激しい戦闘が行われ、その下では砂の墓場が待ちかまえていました。これはキングナイン号。アメリカ空軍の中型爆撃機です。ある夏の朝、イタリーを爆撃するため基地を飛び立ち、ついにその目的を達することなく傷ついた鳥のようにここに不時着しました。”
“アーサー・キャスル夫妻は、人生の夢や希望をどこかに置き忘れてきたような、つつましい辛抱強い穏やかな人たちです。しかしもうすぐこの平凡な夫婦は、魔法の力によって思いがけない望みが次々と叶うことになるのです。その成り行きはこれからテレビでお目にかけましょう。ではその前に、あなたにとって必要なものをご覧頂きましょう。”
“この男はジャッキー・ローズ34歳。死んだ人間が必ず何かを残していくものとすれば、この男が残すものは汚点でしょう。安っぽい人生を送った証拠として警察の書類に汚点を残していくことでしょう。これからこの男は、この部屋の中で自分自身と奇妙な戦いを演じます。そしてその結果がどうなるかはテレビをご覧になればわかるでしょう。
だがその前にもっと面白いものをお目にかけましょう。それではおなじみのコマーシャルをどうぞ。”
“これはバートレット・フィンチリー氏48歳。料理雑誌などに独特の筆を振るい、貴重な読み物を書いている評論家です。独身で人間嫌いで友だちもありません。あら捜しに毒舌に生涯をかけているような男です。その場その場で必要なこと以外は何も考えようとしません。人生に目的を持たず、この機械文明の世の中をひどく嫌っています。そして機械を虐待するのです。一言で言えばバートレット・フィンチリー氏は、時代離れした人間とも言えるでしょう。
だが、この機械嫌いの男でも必ず使っているはずの品物があります。ではそのすばらしい製品を、これからあなたとご一緒に見ることにいたしましょう。”
“ウイリアム・ローレン博士の家はご覧のように合成人間たちの動物園です。あなたはやがて天才の作った合成人間、つまりロボットが永久に動き続けることを知るでしょう。博士の合成人間がどうなるかはテレビをご覧になればわかります。だがその前に、これもまた天才が作りあげたすばらしい製品をご紹介することにいたしましょう。それではこれから始まるコマーシャルをどうぞ。”
“これからあなたにご紹介するのはブース・テンプルトン。ブロードウェイで名声を博している有名なスターですが、私生活では幸せではないようです。過ぎし日の思い出だけに生き、それを生きがいとしています。まもなくこの男はその思い出の中に入っていくことでしょう。しかしブース・テンプルトンとちがって現在生きるあなたや私にとっては、新しい時代の新しい製品が必要です。ではこれをどうぞ。”
ブース・テンプルトン(久松保夫)
“この瞬間犯罪者の巣となっているホテルの一室。警察の記録にも保険会社の書類にもそして新聞記事としても、取るに足らぬこのささやかな事件の結果として、盗品目録にも載らぬ小さな品があります。カメラです。がらくたの山の中にぽつんと置かれたひとつのカメラ。値段に差こそあれ、カメラは単にカメラとしては取り上げる価値もない代物です。だがこのカメラは不思議なカメラです。間もなくこのカメラはこの人たちの運命の流れの中に入って行くでしょう。それではこのカメラとともに始まる不思議な物語の前に、これをどうぞ。”
“この男はヘンリー・コービン。年に一度、クリスマスのシーズンが来るとデパートのおもちゃ売場にサンタクロースの衣装を着けて現れ、クリスマスイブのサンドイッチマンに雇われる男です。そして間もなくヘンリー・コービンは、サンタクロースとして風変わりなクリスマスを味わうでしょう。そしてこれこそ本当のクリスマスなのです。
しかしその前にあなたにはおなじみの物をどうぞ。”
“これは、ひからびた土と腐りかけた木しかないある村です。やけつく太陽の下に病みつかれた獣のようにうずくまっています。そしてこの村には悪の臭いがします。明日の望みを持たず、何者も信じないという…。
そしてこの、不信と絶望の中で人々はなおかつ他人の悪を裁こうとしているのです。すべてが滅びるまで…”
“現在この議論が行われているのはワシントンのあるクラブです。教養ある四人の紳士が過去に戻るという不可能なことを論じています。そして議題となっている単純なテーマは、既に起こった事実を変えられるかという問題です。過去に戻れないだけに、問題はいっそう面白いのでしょう。しかし今夜は、ある男が過去に戻るのです…”
“今ご覧になっているのが主人公のハービー・ハニカット氏です。ご覧のような商売上手。神様が人間に良心を与え給うたときビールでも飲みに行っていて良心を受け取るのを忘れたんでしょう。そして、これはもう一人の登場人物です。箱形の車を持った小柄な老人ですがなかなかの曲者です。ひどく変わったところがあるんです。間もなくハービー・ハニカット氏は今まで経験したこともないような目に会うことになっています。因縁のいたずらによって、ハニカット氏はまったく嘘をつくことができなくなってしまうんです。なぜそうなるかは説明できません。でも、このテレビをご覧になればわかるでしょう。
ではその前に、もう一人の嘘をつけない人のお話をどうぞ。”
“これは人里離れた土地です。訪う人もなく、さびしく、荒れ果てています。そしてこの家も粗末な手作りで、もちろん電気もガスもありません。文明の恩恵に浴していないのです。この女がそこに住んでいます。長く孤独な生活を続けた、強く素朴な女、彼女の唯一の関心は充分な食料を手に入れることだけです。ではこれからこの女の物語を始める前に、スポンサーからのお知らせをどうぞ。”
“ヘクター・プール君は今ミステリーゾーンに入りました。あなたが銅貨を投げてみれば、必ず表か裏が出るだけで立つことはないでしょう。そして百万年に一度もこんな珍しいことは起こりません。
しかしこれからお目にかける物は、いつでも確実に役立つすばらしい品です。”
ヘクター・プール(ディック・ヨーク)
“彼女はナイトクラブのダンサー、リズ・パウエルです。過労と神経の疲れからこの病院に入り、夢にうなされて歩き回る姿は今ご覧になったばかりです。リズは間もなくこの夢から醒めるでしょう。そしてあなたはリズと一緒に、これから現実とも夢ともいえぬ奇妙な事件にぶつかるでしょう。
でもこれからご覧になるコマーシャルは誰にも疑うことのできない事実なのです。”
“あなたが今登場しているのはロンドン発ニューヨーク行きのジェット機です。アイドルワイルド飛行場から55分の距離、高度1万2000メートルを飛行中です。そして今操縦席で起こっている異変は、機械の故障でもなく乗組員の錯覚でもないのです。このジェット機は技術の粋をこらした安全な乗り物で、乗組員はいずれも厳しい訓練を受けた優秀なパイロットです。問題はジェット機がスピードをどんどん上げてきて、理論的にそれを説明する方法がないということだけです。乗組員も乗客も知らぬ間に、このジェット機は地図に載ってない場所に向かっています。普通の飛行機が飛んだこともない場所…そのミステリーゾーンで、どんな運命が待っているかは、これからフィルムでお目にかけましょう。”
“これは、アメリカでよく見かける大衆酒場です。向かって左から、まず経営者のアンソニー・オトール。お酒をやたらに水で割るくせはありますが、つねに酒場の平和を守り、ご婦人に親切なのは見上げたものです。
次は、ジョセフ・キャラハン。もぐりの馬券屋です。物事を必ず二つに分けてその一方に賭けるような男です。彼がこの世で一番重要だと思っているものは、ランナーが塁にいるときにピッチャーの投げる球です。
そしてこの活発な男は、借金を質においても金をつくって、競馬に賭けボクシングに賭けサイコロに賭けトランプに賭ける男です。そしてその勝負に負けた憂さ晴らしに、手当たり次第に近くの席にいる男にケンカをふっかけるのです。
最後にこのルーサー・ディングルは電気掃除機のセールスマンですが、その売り上げは少ない方では一流中の一流です。何をやっても成功するタイプではありませんが、聞き上手で丈夫なあごをもってます。
そして、この見なれない人たちは火星からやってきたお客様です。彼らは電気掃除機のセールスマン、ディングル君の運命を変えようとしているところです。間もなくこのセールスマンは、今まで経験したことのないような人生を味わうのですが、その前にあなたにはもう一人のセールスマンからお知らせをお伝えしましょう。ではどうぞ。”
“まったく見たこともないでしょう。これは特別なラジオなのです。これが造られた1935年頃には、このラジオは最も新しい型でした。今では旧式なスピーカー、黄色いダイヤルも、ギザギザのつまみも、見るからに古めかしい感じです。
しかしこの不思議なラジオの物語を始める前に、ぜひこれだけはご覧下さい。”
“精神一到何事か成らざらんと申します。しかしジンボー・カブのようにただ念じるだけで物を動かせるのは珍しい能力です。ですからスポンサーの立場としては、ただ念じるだけではなくコマーシャルをお目にかけるのです。”
“ご覧のように、この家には死が訪れようとしています。どんな人生の終わりにも必ず死がやってくるのです。死んだ人たちは暗闇の世界に住み、その人たちの言葉はもう聞くことはできません。しかしこの物語の中では、子供が死んだおばあちゃんの言葉を聞くんです。どんな具合に違った世界からの言葉を聞いたのかは、テレビをご覧になればわかるでしょう。
ではその前に、あなたと同じ世界に住んでいるもう一人の人、スポンサーの言葉をどうぞ。”
“ここに集まっているのは4人の犯罪の専門家です。ファーウェルは毒ガスの研究家、以前は物理科学の教授でした。アーブは優秀なエンジニア。ブルックスは火薬の取り扱い方が得意な坑夫です。そしてデクルツは、犯罪の豊富な経験をもっています。時は現代。所はアメリカ合衆国の死の谷の洞窟。間もなくこの4人は人里離れたこの洞窟で事件のほとぼりをさますため、リップ・バン・ウィンクルつまり浦島太郎のように人工冬眠に入ろうとしているのです。”
“アーチボルト・ビーチクラフト氏を簡単にご紹介しましょう。20世紀の落とし子、人口過剰の時代に生まれ、近代文明の恩恵に浴している男です。やっと会社に着いたようです。今日もまた厳しい生存競争が始まります。間もなく彼は自分一人の力で現代の社会に反抗しようと試みるでしょう。そしてその瞬間から彼は、ミステリーゾーンに入るのです。”
“雪の降るある二月の夜、「空飛ぶ円盤がどこかへ着陸した」という夫人の電話が州民軍へ入りました。そして今ご覧になったような調査がさっそく始められたのです。調査の結果、足跡は街道を横切って近くのレストランに入っていることがわかりました。枯れ草の山に針を捜すことは、難しい捜し物のたとえによく使われますが、これはもっと難しいことかもしれません。大変な仕事なのです。レストランに火星人を捜すのですから。ではあなたもこの人たちといっしょにミステリーゾーンの中へおはいり下さい。”
“あなたがこの部屋の中で見るものは、未来の国の姿です。望ましくはないが来るおそれのある未来。新しい世界ではなく、古い時代からすでに存在している世界です。この世が始まって以来すべてこの独裁者が歴史のページの上に記してきたその足跡を、かたどったものに過ぎません。形式は整い、人間の自由を破壊するための技術的な方法は確かに進歩していますが、昔ながらの独裁国と同じように、原則はただ一つ。論理は敵であり、真理は脅威なり。この男はロムニー・ワズワース。あと二日の命です。この国の市民として間もなく処刑されるのです。体に生きた血が通い、心を持っているからです。ロムニー・ワズワースは今ミステリーゾーンに入るのです。”
“これはジャングルです。荒れ果てた大自然の栄えある記念碑であり、永劫に続く大自然の美しさでもあります。だがこのジャングルは、人類が戦争によって作り出した特別なジャングルです。南北戦争やマルヌや硫黄島のように重要な戦争ではなく、まったく意味のない戦いの結果から生まれた大都会のジャングルのひとつなのです。人間が時間を計る尺度であらわすならば、この町に人影が絶えてすでに五年。今年は六年目の第1日です。時は100年後かもしれません。あるいは、すでに100万年前に起こったことかもしれません。場所も、地球上とは限りません。
でも、これからお目にかけるのは地球の上にある品です。”
男(チャールズ・ブロンソン 納谷悟朗)
女(エリザベス・モンゴメリー)
“生まれてからずっと地下室に住んでいてまだ空を見たことのない人のために説明すれば、この物体は飛行機です。正式の呼び名はDC3。こんなわかりきった説明をしたのは、実はこの飛行機が特別な飛行機だからです。さて、たいていの飛行機は予定にしたがって飛び、まれに故障することもあります。そしてすべての飛行機は、飛ぶか休むかしかありません。ところがこの飛行機にはそのどちらでもない出来事が起こったのです。謎の飛行機になったのです。アルミニウムと鋼鉄と、その他の部品からなる7トンあまりの謎の塊になってしまったのです。詳しいお話はこれからフィルムでお目にかけましょう。そしてあなたと、ここにいる連邦航空局のシェックリー氏と二人でこの謎を解いて下さい。いろいろの要素をうまく組み合わせて事件の謎を解くのです。
では、メモを取るためにペンを用意していただくことにして、ここであなたにすばらしいペンをお目にかけましょう。”
“これは悪夢のようなお話です。起こる必要のない未来図と言えるでしょう。善良な人たちならこんなことが起こらぬようにと神に祈るでしょう。だがここでは、今まさに起こったのです。このミステリーの世界では…”
ジェリー(富田耕生)
“これは南北戦争が済んだ時の物語です。その戦いは、サウスキャロライナのフォート・サマーに始まり、アポマトックスに終わりました。そしてこれこそ、「兵どもの夢のあと」なのです。
では、この二人がしばらく歌を続ける間、皆様にスポンサーからのお知らせをどうぞ。”
“ジェシー・カーリフはこうして、世界一の栄光をかけて玉突の試合を始める前に、皆様にはここで世界有数の素晴らしい品をお目にかけることに致しましょう。”
“この男の名はラモス・クレメンテ。一年前には平凡な農民に過ぎませんでした。馬のうしろで鞭を振りながら他人の土地を耕し、ふと目を上げて太陽を見たとき途方もない夢を抱いたのです。彼は同志を集めて横暴な支配者に復讐しようと心に誓いました。彼を苦しめる支配者を。そして一年後、この途方もない夢が現実となったのです。まもなくあなたはこの鏡に映るものを、そして裏切り者の末路を見るのです…”
“普通ならこの老人の言葉が本当です。話はここで終わりでしょう。街角の撃ち合いで悪人は華やかな生涯を閉じるのです。しかし有名な悪党の中には死んだ後までも何かを残す人間がいるもんです。人殺しの悪党ピント・サイクスもその一人です。
ではピントの話を始める前に、貴方の心に何かを残そうとしているスポンサーのお知らせをどうぞ。”
“今夜のミステリーゾーンはいつもとは少しちがった形で話を始めることに致しましょう。これはご覧のようにアメリカ合衆国の地図。そしてこの小さな町はピークスビルです。それほど昔ではないある朝、すべての町がこの世から消え、ピークスビルだけが残りました。地球からピークスビル以外の街がよそへ行ったのか、あるいはピークスビルがどこかへ移ってきたのかは誰にもわかりません。わかっていることはただ一つ、この町を怪物が支配しているということだけです。ただ心で望むだけで、怪物は自動車や電灯線や機械を消し去りました。そして村全体が暗黒時代の昔に帰ったのです。怪物の望むままに…。
それではここでピークスビルの住人をご紹介しましょう。
これはフリーマン氏です。怪物はこの人の家に住んでいるんです。
これはフリーマン夫人。
そしてエミーおばさん。怪物がいちばんなついていたのはこのエミーおばさんでした。しかしある日うっかりして、彼女は大声で歌を唄いました。歌の嫌いな怪物は心の中で彼女を憎み、ただぼんやり微笑みつづける女にしてしまったのです。もう歌も唄いません。
ピークスビルの人たちはいつでも微笑んでいなければいけないのです。いつでも楽しいと思い楽しいと言っていなければいけないのです。さもないと、怪物のためにひどい目にあうからです。人間以外のものにされてしまうのです。この怪物には相手の心がわかります。相手の考えや感情がわかってしまうのです。
ああそうです、大事なことを忘れていました。では怪物をご紹介しましょう。これが怪物です。名前はアンソニー・フリーマン。年は6つで、あどけない子供らしい顔と美しく澄んだ目をもっています。だがこの目に見つめられたら楽しいと思わなければいけないんです。というのはこの子はミステリーゾーンで生まれた不思議な子供だからです。”
“時は1863年、所はバージニア州。アメリカの国民が二つの旗の下に分かれ、血生臭い風の中で戦いあった南北戦争の最中の出来事です。
これは南軍の騎兵ジョセフ・パラディンです。これから谷にある小さな町におりて行くところです。間もなくジョセフ・パラディンは北軍の兵士と出会うでしょう。そして同時に彼は、軍隊の地図にもない地点に入っていくのです。そしてその地点こそ、ミステリーゾーンなのです…”
“シュミット氏は、ババリアの首都ミュンヘンの西北13キロにある小さな町に着いたところです。かつては絵のように美しい風景によって知られた町。しかし今では暗い思い出として、人々の心に痛みを呼び起こさせる町。虐殺と拷問と苦悩の町。シュミット氏はこの荒れ果てた捕虜収容所に大きな興味をもっているのです。というのは18年前ガンサー・ルッツという名で彼はナチスの大尉だったのです。人に苦悩を与えることを唯一の楽しみとする軍服の悪魔。その時代の同僚とともに典型的なナチスの軍人としての性格を備えていました。感情のない人間だったのです。そして今ルッツ大尉は思い出の土地を訪れ、荒れ果てた丘の上の収容所で甘い郷愁に浸ろうとしているのです。しかしその彼にもダホーのような土地が他にもあることを知りませんでした。ルッツ大尉は気づかぬうちに、ミステリーゾーンにあるダホーを訪れていたのです…”
“この暑く重苦しい部屋の中でブロンスン夫人が言い出しかねた言葉は「死ぬ」という言葉です。この人たちはみな死の宣告を受けているのです。というのは、一ヶ月ほど前どういう気まぐれからか、地球が突然今までの軌道から外れ、その時から時々刻々と日一日と太陽に近づいているからです。人類が発明した電気器具はもはや贅沢品ではなく、生きていくための哀れな必需品となったのです。時刻は夜の12時5分前。この明るさです。所はニューヨーク。そして今日こそ最後の日です。
ではこの辺で、例によって人類が発明した便利な品の一つをお目にかけましょう。”
“ヤギの死体。死人の指。そしてガラスや石のかけらとともに、新しい時代に住む現代人アラン・リチャード氏は、自分の信じえないものを憎みながら知らず知らずの間に逃れようのない道を通ってミステリーゾーンのまっただ中に入っていったのです…”
“自分が住んでいる時代に対してひがみと絶望を抱いているマリガン氏はこれから奇妙な体験をします。鍋から逃げ出して火の中に落ちるのです。ミステリーゾーンの中でいつでも燃えている火の中に…”
“道化、浮浪者、バレエダンサー、楽隊員、そして陸軍少佐。クエスチョンマークの集まりです。奇妙なとりあわせの5人が暗闇の奈落にひしめいています。論理も理由も説明もなく、悪夢の続きのように恐怖と孤独が手をつないで疑惑の中をまさぐっていくのです。ではこれから、これはなにか、どうしてどこで起こったのかを探していきましょう。しかしこの悪夢を消し去ることはできないでしょう。なぜならここはミステリーゾーンだからです…”
“1945年8月。これは薄汚れた暗いあの戦争の最後の数ページです。ところはフィリピン群島。人々はアメリカ歩兵分隊の生き残り。疲れて精気のない顔に、落ちくぼんだ目だけを光らせて奇跡を求めています。奇跡によって悪夢の終わることを求めているのです。だが戦いはまだ続くのです。ではその戦いをお目にかけましょう。1945年8月のフィリピン群島、時刻はミステリーゾーンの正午です…”
中尉(ディーン・ストックウェル 野沢那智)
“悪夢に憑かれたこの老婆は、今まで何度となく死と戦い、そしてその度に勝ちつづけてきました。だが今はドアを開くべきか否か、心を決めなければなりません。しかも虫の知らせによって彼女は、このドアがミステリーゾーンへつづくことを知っていたのです…”
“今ご覧になったのは地下100メートルの部屋での出来事です。ニューヨークの摩天楼の地下の一室。ポール・レーディンという男が住んでいる部屋出る。レイディンは金持ちで偏屈で単純な男です。どんなに金持ちかはもうおわかりでしょう。どんなに偏屈かはこれからお目にかけましょう。そして彼は、知らず知らずミステリーゾーンに入っていくのです…”
“ネイサン・エドワード・ブレッドソン。浮浪者のブレッドソン。かつては人間であったこの男も、今では夜の町影を求めてうろつく都会の幽霊に過ぎません。人の情けにすがり一杯の酒に現実を忘れるのです。だがネイトの生活もいま終わろうとしています。というのはネイトがはいたこの新しい靴が彼をミステリーゾーンへと運んでゆくからです…”
“老人のハイダーと猟犬のリップは、アライグマ狩りを楽しむために出かけてゆきました。たいていの場合は獲物を、そう、一匹か二匹のアライグマを手に老人と犬は疲れ果てて家に帰るのが例になっています。しかしご想像のように、今夜はいつもとちがうのです。老人と犬とはもう家へは帰りません。彼らはこれからミステリーゾーンに迷い込むのです…”
“今からおよそ100年前、ピストルを腰に吊った荒くれ男たちは西部の町に集まり、真偽もわからぬさまざまな伝説を残しました。今はあの世にいる彼らカウボーイやギャングたちの前にもしテレビがあって、ハリウッドのスターたちによって毎週彼らが殺され、生き返り、およそ無責任な武勇伝をくり返すのを見たら、彼らは恥じ入って墓に隠れるか、怒って出てくるかでしょう。これから皆さんがご覧になるのはその一例です。一週間3000ドルのスター、ランス・マクグルーという俳優が撮影の最中に経験した出来事です。そして彼が迷い込んだのはちょっとばかり気の毒なミステリーゾーンだったのです…”
“老人にとっては死に場所であり、子どもにとっては缶蹴りの遊び場所であるこの老人ホームは、やがて来る死から逃れようとする老人たちの最後の隠れ場所となります。そしてその隠れ場所こそ、ミステリーゾーンなのです…”
“皮肉屋の演劇評論家フィッツジェラルド・フォーチュン氏は、何が待っているかも知らずに、妻の誕生日のわが家へ帰って行くところです。そしてこの古ぼけたピアノが今夜のパーティで不思議な音楽を奏でることでしょう。ミステリーゾーンにだけに存在している音楽を…”
“ここにつつしんでキャナミッツをご紹介しましょう。身長は2メートルを越え、体重は200kgにおよびます。国籍は不明、なぜ地球に来たのかもわかりません。しかし間もなくあなたはこのコロンブスのような男と握手を交わすのです。宇宙のはるかかなたからミステリーゾーンに来た男と…”
“”
“サイエンス・フィクションと幻想とはまったく別のものだと言われています。サイエンス・フィクションはありそうにないことを可能にし、幻想は不可能なことをありそうに見せます。この二つのちがったものを一緒にしたらどうなるでしょうか。ここにベンという、普通の人にはできない術を使う男がいます。そして彼を愛する少女ジェニーとともに、あなたは今ミステリーゾーンに入るのです…”
“行方不明になった少女の名前はティーナ・ミラー。年齢は6歳で背格好は中ぐらい。ブロンドのかわいい少女です。彼女を最後に見たのはベッドに寝かしつけた母親で、声だけはどうやら今も聞こえているようです。ティーナの声は確かに今も聞こえます。しかし奇妙なことには姿はまったく見つからないのです。どこにいるんでしょう?ティーナのいる場所は、ミステリーゾーンです…”
“これは最も大切なものを失った男の姿です。だが彼はまだ、どんなに大切なものを失ったか気づきません。この世から突然自分がいなくなってしまうということがどんなに恐ろしいことか、デビッド・ガーニーはまだそれに気がついていないのです。しかし間もなく気がつくでしょう。彼は自分を探してますます奥深く、ミステリーゾーンへと入っていくのです…”
“これはオリバー・クラング、害毒を振りまく男です。彼は神々の黄昏としてたまたま午後4時という時刻を選び、そしてわれわれは今、偏見に毒されたこの男がどうなるか見守ろうとしています。復讐天使と自らを任じ、全知全能を誇り、復讐に打ち込む姿を。あなたの時計が何時であろうと今は4時であり、あなたはミステリーゾーンにいるのです…”
“ジョン・ホールト夫妻は、年老いて震えるその指で今まさに人生の最後のページをめくろうとしています。そして二人はその人生という書物の上に、神のさだめを越えた新しい文字を読もうとしているのです。しかしこの二人が住んでいるのは未来の世界であり、新しい肉体と取り替えることさえ可能な時代なのです。そしてホールト夫妻は今まさに、その晩年をミステリーゾーンで過ごそうとしているのです…”
ジョン・ホールト(久米明)
“減らず口をたたくこの不精者の名はサマーセット・フリスビー。壊れた歯車に操られるアルコール漬けの死体のような男です。もうおわかりのように彼が充分ストックしてあるものは‘ほら’だけです。だが実はいま店先に来たのは特別なお客様なのです。そしてこのお客様はさすがのフリスビィさえ想像できないような運命を用意しています。ところはアメリカの一農村、時は現代、そしてフリスビィがこれから訪れようとしている世界こそ、ミステリーゾーン…”
“この腹話術士の名はジェリー・アチスン。達者な声の芸人です。そして彼の膝の上に座っている茶目っ気たっぷりの小さな仲間の名はウィリー。そしてまもなくジェリー・アチスンとこの小さい仲間は、奇妙な世界に迷い込むことでしょう。みなさまがよくご存じの不思議な世界、つまり、ミステリーゾーンに…”
“エリス・ハウラー教授は温和な学識ある先生です。彼は思いがけない知らせを受けようとしています。そして今ロックスプリング中学校の校庭は新しい世界への入口になろうとしています。ミステリーゾーンへの入口に…”
“”
“この人たちはどうやら信じているようです。母親より10倍も立派な女を見つけても母親にはおよばないとよく言われますが、彼らが見つけるロボットは、ミステリーゾーンの死者なのです…”
“
今夜は皆様方に、ミス・アグネス・グレップをご紹介しましょう。生まれつき少し変わっていて、ややもすればマンホールに落ちかねないぐらいせっかちな娘です。まもなくみらない天使のハーマン・キャベンダーが、羽をもらおうと奇跡をおこない、彼女をびっくりさせるでしょう。そして二人がこれから力を合わせ、運命とたたかってゆく灰色の冷たい世界こそミステリーゾーンです…”
“ご紹介しましょう。この男はマックス・フィリップ。競馬のもぐり馬券を扱っています。彼が今まで歩いてきた人生は正しい道ではありませんでした。しかし彼は遅まきながらこの年になって、こんな生活から足を洗おうと考え始めました。それには理由があります。彼は息子のピップを愛していたからです。しかし彼が辿った行き先には、ミステリーゾーンの不思議な世界が待ちかまえていました。ではご案内いたしましょう。ご一緒にどうぞ…”
マックス・フィリップ(ジャック・グラフマン 納谷悟朗)
“これは今から約十年後の1974年の話です。マネージャーのケリーと修理工のポールは重量級の拳闘選手マクソーを連れてカンサス州にやってきました。皆様のご覧になった通り、マクソーはロボットなのです。精巧な機械で人間と同じ行動をします。1968年から人間の拳闘は禁じられてその代わりに登場したのです。今度のマクソーの試合は6回戦の予定ですが、ケリーとポールと二人には思いがけない運命が待ちかまえていたのです。ロボット同士の試合は人間と人間との闘いとはちがって、動物的な残酷さをもっていました。では皆様をリングサイドへご案内いたしましょう。喚声と熱気の立ちこめたミステリーゾーンへご一緒にどうぞ…”
“なんとなく落ち着かないこの乗客は、退院したばかりのセールスマン、ボブ・ウィルソンです。強度の神経衰弱からノイローゼに陥った彼は、六ヶ月の入院生活を追えた後退院を許されて、迎えに来た妻のジュリアとともに一刻も早くなつかしのわが家へ戻るためこの旅客機を選びました。ところがその行き先には意外な出来事が待っていました。でもこの不思議な体験はボブ・ウィルソンとみなさんにしかわからないのです。7千メートルの上空でこの旅客機が通り過ぎた別の世界、それはミステリーゾーンなのです。ではみなさんをそこへお連れいたしましょう。ご一緒にどうぞ…”
ボブ・ウィルソン(ウィリアム・シャトナー)
“あなたの近くにもこのような男がいないでしょうか。マクナルティというこの四十男は、職場や友人の間で鼻つまみになっています。自分の仕事もろくにしないでいつも夢のようなことばかり言っている人物です。この男にとって自分は絶対であり、人の意見には耳を傾けようともしません。おそらくこの男は自分の生活と意見を一生変えることはないでしょう。だが人生には時としてまったく思いがけないことが起こるものです。そうなれば彼も変わるかもしれません。私にも、そしてあなたにもあり得ることです。それでは、ご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。この小さな男の名前はグレイディ。職業は競馬の騎手ですが、不正行為をはたらいて以来すっかり落ち目になりました。かつては名騎手として謳われた時代のあった彼も、今では昔の面影すらありません。それは華やかだった時代の夢を追うあまり、つい悪の道に足を踏み入れて、仕事に見離されたからです。競馬に限らず一度過去に名声を獲得した者が夢を追うのは誰でも同じでしょう。グレイディもそうです。騎手だけが生きがいの彼は、再び大レースで脚光を浴びる日を夢見ているのです。ではグレイディを待ち受けているミステリーゾーンへご一緒にどうぞ…”
“おしゃべり人形のティナ。どこにでも売っているこの人形は、そのかわいい顔に似つかない言葉をこの屋の主人に投げかけました。妻の連れ子に愛情がもてないこの父親はことごとに辛くあたるのです。では、人形の住むミステリーゾーンへご一緒にどうぞ…”
“これは愚かな人間が自らもたらした悲劇なのです。水爆戦争へのボタンを押した瞬間、人間は全てを失い千年前の姿にもどってしまいました。人間の発明したすべてのもの、科学も宗教も芸術も、たったひとつの水爆のために破壊されたのです。そうです、これはその十年後の世界です。そこにはもう何もありません。あるものはミステリーゾーンだけです。では1974年の世界を訪ねましょう。ご一緒にどうぞ…”
ゴールドスミス(中村正)
“この老人は人を怒鳴りつけることに喜びと生きがいを感じているサイモンという名の科学者です。それからこの老人にいつも怒鳴られている女性は姪のバーバラです。事実今日までのバーバラはこのような苦痛の連続でした。ところでここにはもう一人登場人物がいます。彼はミステリーゾーンでしか見られない姿をまもなく皆さんの前に現すことでしょう。ではご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。この老婦人はエルバ・キーン。彼女の日常は判で押したように決まっています。足の不自由なエルバはベッドに寝たり車椅子に座ったりして本を読み、ラジオを聴き、食事をし、薬を飲み、そして絶えず何か変わったことが起こるのを待っているのです。本人はまだ気づいていませんが、彼女の待っていた「変わったこと」が今彼女の身に起ころうとしています。いや、現にもう起こりつつあるのです。激しい嵐の夜に二度もかかってきた不可解な電話がそれなのです。これはミステリーゾーンからかも知れません。ではご一緒にどうぞ…”
“宇宙パイロットのクック大佐は、地球から何千万キロも離れた遊星にただの一人で不時着しました。大佐は百に一つも助かる可能性のない窮地に追い込まれてしまったのです。基地から見離されてしまった今、傷ついた右腕を抱えた彼一人ではこの宇宙船の修理は不可能です。しかも彼に与えられた試練はまだあります。すなわち孤独との闘いと未知の世界に対する恐怖です。ではミステリーゾーンの中に漂っている未知の遊星へご一緒にどうぞ…”
“1964年6月25日、三人の戦車隊の斥候が不思議な経験をしたこの地点には、八十数年前の同じ6月25日、カスター将軍が率いる第七騎兵隊の斥候も姿を現しているのです。現代に突如として出現した過去。これから三人がたどるミステリーゾーンには何があるのでしょうか?ではご一緒にどうぞ…”
“人がこの世に生きるということは、喜びや悲しみの中に生きることです。しかしこの老人の生活は古い時計の中にあったのです。人間の生活と時計の中の生活というふたつの世界。これもミステリーゾーンだけがもたらす世界なのです。ではご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。この女性はバニー・ブレーク、職業は映画女優で現在はハリウッドの近くに住んでいます。バニーのファンは非常に多く、彼女の行動は常に話題に上っています。しかしメーキャップをとれば普通の女性となんら変わるところはありません。この若くて美しいバニー・ブレークはこれからミステリーゾーンへ向かおうとしているのです。ではご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。この男はオリバー・ホープ、現在ある会社の主要なポストに就いていますが、次期支配人の席をめぐる争いで落ち着かない毎日を送っています。事実この日も自分で運転できるような状態ではありませんでした。
善良な市民であり勤め人であるオリバーは、いつものように会社から帰宅の途中思いがけずに殺人者になりかかったのです。自転車に乗っていた新聞配達の少年は彼の車にはねとばされ瀕死の重傷を負いました。オリバーはひき逃げをしたのです。これは弁解の余地はありません。彼はどう償いをするか?こうしてオリバーを乗せた車はミステリーゾーンに向かって走ります。ではではご一緒にどうぞ…”
“美しくなりたいのは人間の本能です。人々はすべてこのチャンスを活かしているのにこの少女はなぜためらっているのでしょうか?これはあまり遠い未来の話ではありません。科学が高度に発達して人間の肉体を自由に改造できる時代はまもなくあなたの前に訪れるでしょう。しかしミステリーゾーンではもう実現しているのです。ご一緒にどうぞ…”
“この広い宇宙には、われわれ人間の思考力では判断できないことがまだたくさんあります。これもその一つです。これは病院でも死体置場でも古代の墓でもなく、また未来の葬儀屋の柩でもありません。実は宇宙船の中なのです。そして現在地球から想像もできないほど遠いところを飛んでいます。目的地はどこなのか誰にもわかりません。しかもそのうえ果てしない宇宙へ飛び出した人間を待ち受けているものは何か、数多くの疑問と期待とをのせて、宇宙船は飛び続けるのです。
こうして、スタンフィールド中佐は果てしなく広がる未知の世界・大宇宙に向かって唯一人四十年の旅に出発することになったのです。四十年、これは人類にとって史上初の試みです。科学の発達した今日とはいえ、一人の人間が宇宙の真っ直中で機械と運命をともにするのです。はたして宇宙の彼方で人間がその半生を送ることが可能でしょうか?中佐が過ごす場所は、地球と惑星系の中間にあるミステリーゾーンかもしれません。ではご一緒にどうぞ…”
スタンフィールド中佐(ロバート・ランシング 家弓家正)
“ご紹介しましょう。この男はサルバドル・ロス。教養も金も地位もない26歳の青年です。とりえといえばその雑草のごとくたくましい生活力と実行力でしょう。この男は欲望を満たすためには手段を選びません。そのようなひたむきな気持ちが彼をミステリーゾーンへ導くのです。ではご一緒にどうぞ…”
“この小さな平和な街にどこからともなく現れた、黒い革ジャンパーの見知らぬ男3人。名前はスティーブとスコットとフレッド。彼らはそのオートバイの爆音とともに私たちをミステリーゾーンに導くのです。ご一緒に…”
“ご紹介しましょう。ジェームズ・エルウッド、彼はこうして世界でもっとも進歩した電気計算機・通称アグネスの担当技師になったのです。機械は人間のために人間によって作られたものです。しかし人間が自分達の頭脳の産物である機械を支配できなくなったとき、彼らはミステリーゾーンに踏み込むことになるのです。ではご一緒に…”
“アン・マリア・ヘンダーソン、18歳。突如として現れた正体不明の女に追われたこの若い女性は恐怖に顔を歪めました。全身を黒で包んだこの女はどこから現れたのかわかりません。これはいつものように乗馬に出たアンの上に起こった出来事です。しかし黒装束の女は突然追うのをやめ、恐怖におびえて走り去るアンの後ろ姿を食い入るようににらみつけました。アンにとってはなぜいきなり追われたのかは言うまでもなく、追跡者を見極める余裕などまったくありませんでした。まもなくアンにはこの解答が与えられるでしょうが、おそらく到底彼女には理解できないことかも知れません。この宇宙にはまだまだわからないことがたくさんあるのです。ではこれから、ミステリーゾーンへご一緒にどうぞ…”
“ニューヨークに住んでいるこのボブとミリーの若夫婦は、ある晩パーティの帰り道、気がつかない間に不思議な家へ足を踏み入れました。朝目を覚ませばそこがどこか誰でもわかるはずです。もしそれが自分の家ならニワトリの鳴き声か目覚まし時計のベルで眠りから覚めいつものように一日が始まります。しかしこの二人はちがっていました。たどり着いたところはミステリーゾーンだったのです。では皆さんも、ご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。ジョーダンはシカゴのある新聞社に勤める有能な芸能記者です。いつも冷静で物に動じない彼も今見たながめにはしばし心を奪われたようです。彼の心をとらえた美しい女性、彼女は有名な映画女優パメラ・モリスです。しかしその生活は謎に包まれ誰も彼女の過去を知りません。彼はそれを探ろうとしています。ミステリーゾーンへ足を踏み入れたとも知らずに…。ではご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。この男はジョー・ブリット。テレビの好きなタクシーの運転手です。このジョーは今から不思議な世界へ入っていきます。行き先がどこなのか彼にはわかりません。しかし、運命の車は全速力で走り出しているのです。あなたも彼の車でミステリーゾーンへご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。この老人はジェイソン・フォスター。心臓病で長い間床に伏しています。死期が近づいたことを感じた老人が死ぬ前にやろうとしていることとは何でしょうか。彼が何かをやろうとする場所、そこはミステリーゾーンなのです。それではご一緒にどうぞ…”
ジェイソン・フォスター(永井一郎)
“この朝、保安官のチャーリーと助手のピアースは一人の殺人犯の死刑を執行することになっていました。常識からいっても朝の7時半にはすでに日が上っているはずです。一年のうちで時間の差はあっても朝が来れば日の上るくらい子どもでも知っています。この日保安官と助手の二人が縛り首にするのはジャガーという男です。しかしおかしなことにこの日は7時半になっても日が上らない暗黒の朝となりました。ではこの街に皆様をご招待しましょう。ご一緒にどうぞ…”
“これは腹話術士ジョナサン・ウェストとその人形の話です。腹話術士は自分の口を動かさないでまるで人形がしゃべるように声が出せます。ところがシーザーというこの人形は他の人形と違っています。ものを考えることができるばかりでなく、人間と同じように話すこともできるのです。では彼の住むミステリーゾーンへご一緒にどうぞ…”
“共産圏から西欧側に亡命しようとしてこの街に逃げ込んだ一少佐の身辺には、すでに秘密警察の冷酷な手が伸びていました。少佐の死はただ時間の問題だったのです。亡命者はカチェンコ少佐です。おそらく彼の命はあと数時間後に秘密警察の手で消されることでしょう。しかし少佐と彼を追う秘密警察の殺し屋たちがともに足を踏み入れたところはミステリーゾーンだったのです。ではご一緒にどうぞ…”
カチェンコ少佐(マーティン・ランドー)
“別の考え方をすればこれは一種の勝負といえましょう。片方は機械であり、片方はヒップルという一人の人間なのです。これは、今までにも絶えず繰り返されてきた人間と機械との勝負であり、人間の頭脳とその産物との戦いなのです。どちらが勝つか予言は控えておきますが、機械に戦いを挑んだ男の行き着くところはミステリーゾーンなのです。ではご一緒にどうぞ…”
“ご紹介しましょう。これは今売り出しのロカビリー歌手フロイド・バーニーです。競争の激しい芸能界にあって、彼が今日の地位を獲得できたのはそのレパートリーの広さが人気を呼んだからです。バーニー自身もそれは十分に承知していて、絶えず新しい歌を求め歩くことを怠りませんでした。
はたして人間は死の世界を見ることができるでしょうか。それはたった今自分の名前の刻まれた墓の前を知らずに通り過ぎたフロイド・バーニーが答えてくれます。彼は新しい歌を夢中で探し回っているうちにたどり着いたこの山奥で、これから一人不思議な道をたどるのです。では哀愁に満ちたメロディーがもたらすミステリーゾーンへ、ご一緒にどうぞ…”
「めぐりあい」「人形はささやく」ほか11話を収録。二カ国語版。
「8時間の奇跡」「最後の支配者」ほか11話を収録。二カ国語版。